Pause Time

#003

森とともに暮らすひとりの時間

H.S さん
H.S さん

人生の折り返しを迎えた頃、仕事に追われる日々に区切りをつけ、自然に囲まれた生活を求め郊外に土地を購入、その頃出会った心ある設計士とともに自邸を建てる決心をしました。先への不安も抱えていましたが、それ以上にリセットしたいという願いも含めた決断でした。家を建てるにあたって、部屋から眺める風景にこだわりたいと考え、庭に植える樹木とその先に拡がる緑地も整備したいと思い立ち、市が募集していた緑地管理を行うボランティアに応募しつつ5年間で100本以上の樹木を寄贈し森を完成させました。最初は造園業者の方から樹種ごとの生育に適した場所等を教わりながら、徐々に独力で常緑樹に覆われた緑地に調和する木々を探しました。


葉の形や季節ごとの色付きなどを想像(妄想)しながら植栽し、育ててゆく流れは絵画を描く過程のような時間でした。いま、鳥の囀や芽吹きで春の訪れを感じ、みずみずしい新緑に包まれた景色を見ると毎年々透き通った気持ちになれます。眩しい夏の陽射しから森は守ってくれます。黄色から橙、紅色とグラデーションしてゆく秋が深まると、静かに木々が力を蓄える冬がやってきます…。こうした四季折々の森の表情は、最高のご馳走であり、自身の内面と向き合う大切なひとときを生んでくれるのです。


H.S
Craft Promoter
何より自然を好み、民藝や工芸作品、古美術や古道具、ビンテージ家具などを大切にし続けるシニア世代。現在、愛してやまない作り手の作品をギャラリー等で広く紹介する活動に取組んでいる。
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